肩・肘の代表的な疾患

肩・肘のイメージ画像

肩や肘部位の代表的な疾患をご紹介します。

肩関節周囲炎(四十肩・五十肩)

中年世代以降によくみられるもので、一般的には四十肩や五十肩とも呼ばれます。この場合、肩関節に関係する部位(骨、軟骨、靭帯、腱 等)が、加齢等によって変化するなどして炎症が引き起こされることで発症するのではないかといわれています。

主な症状は肩の痛みや動かしにくさ(可動域制限)といったもので、多くは片側のみに現れます。
痛みが出るから動かさないとなれば、肩はさらに動かしにくくなり、日常生活の様々な動作にも支障をきたすようになります。このほか、夜中の安静時であっても肩がズキズキと痛むことがあり、それによって眠れなくなることもあります。なお痛みに関してですが、ピーク(急性期)は発症から2週間~3ヵ月ほどとされ、その後はやわらぐようになりますが、1年程度は痛みが残ることもあります。

治療について

痛みが強く出ている時期は安静に努めてください。具体的にはアームスリング等を使用し、肩などの負担を軽減します。また痛みの症状を抑えたい場合は、NSAIDsの内服や、湿布などの貼付薬による薬物療法や注射療法(ステロイドやヒアルロン酸の注入)が用いられます。痛みが落ち着けば、無理のない範囲で肩を動かしていくリハビリテーション(運動療法、理学療法)を行い、肩回りを柔らかくして、動かしやすくすることも大切です。

肩腱板損傷

腱板(肩腱板)とは、肩甲骨と上腕骨をつなぐもので、肩関節の安定やスムーズな動作を可能とさせる部位でもあり、4つの筋肉の腱(肩甲下筋、棘上筋、棘下筋、小円筋)で構成されています。この腱板が、何らか原因によって、損傷あるいは断裂が起きた状態にあるのが肩腱板損傷です。主な原因ですが、転倒などによる外傷、スポーツの最中のケガなどはっきりしていることもありますが、原因がよくわからないことも少なくないです。
また発症しやすい世代としては、中高年層が多いことから、加齢による腱板の変性(老化)によって徐々に腱板が損傷していくことで起きることも考えられます。

よくみられる症状としては、肩が動かしにくい、肩に力が入りにくい、肩を動かす際(腕を上げる動作をする 等)に痛みがあるなどです。また腕を上げる際にジョリジョリという音が聞こえることも特徴のひとつです。
なお肩関節周囲炎との違いとしては、関節の動きが固くなりにくいことがあります。

治療について

損傷の程度がそれほど重くなければ、患部を安静にするほか、痛みを抑えるための治療として、NSAIDsの内服、ステロイドによる局所注射のほか、痛みが治まってくればヒアルロン酸注射に変えることもあります。痛みが落ち着けば、肩の動きの改善を図るストレッチ、筋力トレなどのリハビリテーションも行います。なお、保存療法のみでは症状が十分に改善しない、腱板の断裂が大きいと判断された場合は、手術療法が検討されます。

上腕骨外側上顆炎(テニス肘)

上腕骨にある外側上顆に付着する筋膜で炎症が起きている状態を上腕骨外側上顆炎といいます。
炎症が起きる原因は、肘の使い過ぎによるものですが、同疾患は中年世代から上のテニス愛好者によくみられることからテニス肘(主にバックハンドストロークをやり過ぎる 等)とも呼ばれています。テニス以外にも、仕事などで重い物をよく持ち上げていたり、雑巾を絞ったりすることが多いという場合なども発症しやすくなります。

よくみられる症状は、肘の外側の痛みになります。物を持ち上げる、タオルを絞るなどの動作をすると、主に肘の外側から前腕の範囲において痛みが現れます。なお安静にしていれば、痛みがみられることはありません。

治療について

基本は保存療法となります。まずは痛みを強める動作(テニス、重い荷物の運搬 等)を控えたり、腕の使い方を見直したりしていきます。必要であれば、テニス肘バンドによる装具療法を行うほか、強い痛みがある場合は、肘の外側に向けてステロイド局所注射なども行います。このほかにも、手首や指のストレッチ、筋力トレーニングなどのリハビリテーションも欠かさないようにしてください。
保存療法では、症状がなかなか改善しないという場合は、手術療法が選択されることもあります。

上腕骨内側上顆炎(ゴルフ肘)

上腕骨の内側上顆(肘の内側)に付着する筋膜に繰り返しの負担がかかることで、炎症などの症状が引き起こされるのが上腕骨内側上顆炎です。ゴルフをよくする方に発症者が多くみられることからゴルフ肘とも呼ばれますが、野球の投球動作やテニスでのフォアハンドのしすぎなどほかのスポーツでも発症することがあります。
また日常生活動作であっても、物を握った状態で持ち上げる、スーツケースを引く、長時間の反復作業などの繰り返しによって起きてしまうこともあります。このほか、使い過ぎ以外の原因としては、加齢に伴って起きる筋肉の質の低下ということもあります。
主な症状は、肘の内側の痛みになります。なかでも、手首を内側に回す、強く握るなどした際に痛みは出やすくなります。

治療について

痛みの原因となる繰り返しの動作が判明している場合は、その動作を控えて肘への負担を減らして安静にします。必要であれば、装具療法としてエルボーバンドを使用します。痛みを軽減させるための治療としては、アイシングやNSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)による薬物療法を行い、痛みなどの症状が重度であれば、ステロイドによる注射療法を用いることもあります。
また痛みが落ち着くようになれば、ストレッチや筋力トレーニングを行い、筋肉の緊張をほぐしたり、肘や手首の筋力を強化したりすることも重要です。